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くわはら・みちお 1971年に東京都葛飾区亀有に生まれ、3歳の時に北海道紋別市へ移住。大学進学で一度紋別を離れるものの、卒業後はすぐに紋別へ帰郷。(有)桒原測量設計事務所に勤務する傍ら、「y▲m▲cafe」や「ぐる紋」など、紋別市の活性化に取り組む。現在はRosehips代表、紋別商工会議所青年会部(YEG)副会長、MONBETSU hazimeru副代表など、精力的に活動している。

本当は苦手だった『人』。でも、きっかけも『人』

北海道オホーツク地方北部に位置する、 流氷観光でも有名な紋別市。そんな紋別市で個性豊かな仲間とともに、まちの活性化のために日々尽力する桒原務緒さん。行き交う人々と親しげに投拶を交わし、人との出会いやお酒を純粋に楽しむバイタリティ溢れる女性です。独特のレトロな風情を感じさせ、変わることなくその雰囲気を現在に伝える『はまなす通り』。東原さんからは溢れんばかりの街の魅力と紋別市の目抜き通りを紹介していただきました。

 


まちづくりに関わって初めて見えた、紋別の今


一桒原さんの簡単な経歴を教えていただけますか?
紋別の高校を卒業後、札幌の大学に進学しました。卒業してすぐ親に言われて紋別に戻り、父の経営する設計事務所で働き始めたんですが、その時はまだ紋別もそんなに好きになれませんでした。まちづくりの活動なんて何もしてませんでしたし、悶々としながらもただ仕事をこなすだけの毎日でした。

―現在の精力的な活動からはとても意外です。 
本来はすごく人見知りですし、できれば誰とも会いたくないくらいなんです。家にこもって本を読んでいるのが好きでした。本と犬とご飯だけあれば満足みたいな感じでしたね(笑)。色々あって人付き合いも嫌になって、小さなコミュニティから逃れるように東京に通うようになった時期もあります。でも結局は、付き合いが深くなると人伝いにどんどん繋がっていっちゃうんです。恐れずに外に出ないと誰とも出会えないんだなってことがわかったんですよね。だから、地元の紋別でも頑張ることにしたんです。

―紋別市でまちづくりの活動を始めたきっかけは何だったんですか? 
父に言われて嫌々ながら参加した『女性の視点を活かした道づくり懇談会』がきっかけです、私の人生を変えるキーパーソンとも出会うことができ、その人のおかげでまちづくりに興味を持ちました。紋別の病院では出産できない現状とか、道路が整備されているおかげで救急車がちゃんと通れるとか、今までは意識したことがないことにも、初めて気が付くことができたんです。その懇談会のメンバーで盛り上がって『Rosehips』っていう女性団体を立ち上げたんですけど、私がその代表を務めることになりました。最初はあまり乗り気ではなかったんですが、 紋別養護学校の生徒さんと一緒にペットボトルに滑り止め用の砂を入れて配ったり、ミニ観光情報誌『ゴマップ』を作ったりする活動を通して、どんどんまちづくりの面白さに惹かれていきました。その後Rosehipsのメンバーで仲良くなった女の子と、紋別の海を一望できる大山の頂上で『y▲m▲cafe(ヤマカフェ)』という喫茶店を始めました。お酒を飲んでいる時に「紋別の使われていないお店のシャッターを、私たちが1つでも開けられたらいいね」って話していたのがきっかけだったんです。経営は厳しかったですが、お客さんとして来てくれた人たちと仲良くなって繋がったり、ここでもすごく良い連鎖が生まれたんです。

―桒原さんの活動の根源にあるのは、「人」なんですね。 
元々は苦手だったんですけどね(笑)。ある日、y▲m▲cafeに同い年の男の人が来てくれたんですけど、何度もお店に来て仲良くなるにつれて、商工会議所の青年部に勧誘されたんです。その人は、機械屋さんなのにオリジナルの「紋たれ」っていう商品を開発していたりして、「得体のしれない人だな」というのが第一印象でした。喫茶店に来てくれるお客さんなのに最初は「気持ち悪い!」って思っていたくらいでしたね(笑)。でも彼は、大人たちの活動をちゃんと子どもたちに見せるために『MOMBETSU hazimeru』という市民団体を有志で設立し、祭りで「もんべつ紋たれ焼きそば」を売って、その売上を高校の生徒の活動に寄付するなど、素晴らしい活動をしていました。そんな姿に感化されて、私も別市のま ちづくり活動にのめり込んでいったんです。


出会う人をツナグ、情緒溢れる繁華街

―『はまなす通り』でイベントを企画していると聞きました。
はまなす通りの独特の雰囲気は、若い人たちからすると入りづらいと耳にしました。「それはもったいない!」と思い、『ぐる紋』というイベントをはまなす通りで開催したんです。結果的に「行ってみたら意外といいかも!」といった声が多く、反響も大きかったので、 はまなす通りの良さを知ってもらう良いイベントになったんじゃないかなと思います。

一桒原さんははまなす通りのどこが好きですか?
一つ一つのお店にそれぞれのドラマがあるところとか....でも結局は人が好きなんだと思います。大好きなマスターのいるお店に顔を見に行ったり、本当は人が苦手だったんですけど、自分の人生は人に変えてもらってるのも事実ですから、人が嫌いで人が好きみたいな感じですね(笑)。だから、どんな人でも温かく受け入れてくれるはまなす通りと、ここの人たちが大好きです。これからもみんなにとってそういう場所であり続けてくれたらいいなと思っています。

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